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特定技能2号とは?1号との違いや対象分野、“なるため”の条件や手続きを解説

特定技能外国人制度の大きな動きとして、2023年6月に特定技能2号の対象分野が大幅に拡大しました。制度に関心のある企業担当者や日本で働く外国人としては、以下のような疑問が出てくるでしょう。

  • 特定技能1号と2号は何が違うのか?
  • 2号の対象分野が拡大すると何が変わるのか?
  • 2号になるための条件や手続き方法は?

この記事では、特定技能2号について、制度の概要や1号との違い、最新の対象分野、2号になるための条件や手続きなどを詳しく解説します。

2023年の対象分野拡大後の新しい情報をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

特定技能2号とは?

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特定技能2号とは、外国人労働者が日本で働くための在留資格(ビザ)の種類の1つです。

特定技能制度の概要

特定技能制度は、2019年から運用されている仕組みで、国内企業が外国人労働者を受け入れるための在留資格の制度です。

労働者の需要が高い産業分野に一定の能力を持つ外国人を呼び込み、国内で就労してもらい労働力を確保することを目的に出入国管理法が改正され創設されました。

制度の背景には高齢化や人口減少などの課題があります。

COOL JAPANのキャッチフレーズで外国人観光客を呼び込んで消費につなげるのと同じように、在留資格制度でも外国人労働者の受け入れを推進して、深刻な人材不足に対応することが目的です。

特定技能には1号と2号がある

特定技能ビザには1号と2号の2種類があります。

この記事で取り上げている「特定技能2号」は、熟練した高度な技能が必要な職種で長期間働くためのビザです。

1号と2号の細かい違いや取得条件、手続きは後ほど詳しく解説します。

なお現状は1号と2号の2種類のみで、特定技能3号はありません。

特定技能2号の現状

法務省の発表によると、2号特定技能外国人材として働いている人数は2023年3月時点でわずか11人です。

同時期の1号の受け入れ数が約15万人と、コロナの影響があったにも関わらず着実に増加していたのに対して、非常に少ない人数と言えるでしょう。

特定技能2号として全国で初めて認定された例は、2022年4月の建設業での中国籍の男性です。

このように、まだ運用がはじまったばかりで、これから本格的に活用が進む制度です。

2023年から特定技能2号の対象が拡大

2019年から2021年までは、特定技能対象の産業分野が14種類ありました。

その後、2022年に12分野に統合されています。この時点で特定2号の対象分野は「建設」「造船・舶用工業」の2分野のみでした。

その後、2023年6月に特定2号の対象分野を拡大し、2分野から11分野とすることが閣議決定されました。

結果、12分野のうち介護分野以外の1号とほぼ同じ分野・業種で2号を取得できるようになります。

特定技能1号には日本での滞在期間が通算5年間までという上限がありますが、期限が近い人材も2号に移行すれば引き続き滞在できるようになります。

外国人労働者を採用したい企業にとっても、日本で働きたい外国人にとっても、よい流れと言えるでしょう。

特定技能2号の対象分野と区分の一覧

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2023年に対象が拡大することで、今後の特定技能2号の対象分野と区分は以下のようになります。

特定技能2号の対象分野 特定技能2号の対象区分
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業 ・機械金属加工
・電気電子機器組立て
・金属表面処理
建設 ・土木
・建築
・ライフライン 設備
造船・舶用工業 ・溶接
・塗装
・鉄工
・仕上げ
・機械加工
・電気機器組立て
自動車整備業 ・自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備
航空 ・空港グランドハンドリング
・航空機整備
宿泊 ・宿泊施設のフロント業務
・企画、広報
・接客
・レストランサービス
農業 ・耕種農業全般
・畜産農業全般
漁業 ・漁業
・養殖業
飲食料品製造業 ・飲食料品製造業全般(製造、加工、安全衛生)(酒類を除く)
外食業 ・外食業全般
ビルクリーニング ・建築物内部の清掃

参考: 法務省 特定技能ガイドブック

表から分かるように、2023年に対象が広がったことで、特定産業12分野のうち、介護以外の11分野すべてで特定2号が可能となります。

以下で、特定技能外国人が従事する各分野の作業内容を紹介します。特定技能2号は、業務の管理監督を任されることになります。

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

一般的には製造業と呼ばれる分野のうち、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業が特定技能の対象となっています。

対象の業務内容は幅広く、以下のようなものがあります。

機械金属加工 鋳造、ダイカスト、工場板金、鍛造、溶接、プレス加工、鉄工、加工、保全、包装、検査、プラスチック成形、塗装
電気電子機器組立て 機械加工(旋盤など)、組立て、仕上げ、保全、包装、検査、プリント配線板製造
金属表面処理 めっき、アルミニウム陽極酸化処理

参考:特定技能外国人制度ポータルサイト

建設

2021年時点の建設分野における外国人材は約11万人おり、そのうち約7万人が技能実習で、約6千人が特定技能外国人です。

建設分野では、以下のような工事や作業を行います。

土木区分 コンクリート圧送、トンネル推進工、とび、建設機械、施工(型枠、鉄筋)、土工、塗装など
建築区分 建築、大工、鉄筋施工、とび、屋根ふき、左官、配管、内装仕上げ、塗装、表装、タイル張り、かわらぶき、建築板金、防水施工など
ライフライン・設備区分 配管、保温、保冷、電気通信、電気工事、など

参考:国土交通省

造船・舶用工業

造船・舶用工業は、船を造ったり、船に載せるエンジンやプロペラなどの機械を製造します。

主に以下の業務で外国人を受け入れています。

溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立て

参考:国土交通省

自動車整備業

自動車整備業においては、以下の業務で外国人を受け入れています。

自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備

なお、以前は「自動車の分解整備」という用語が使われていましたが、現在は「特定整備」に変更されています。

参考:国土交通省

航空

航空分野では、特定技能外国人が以下のような空港での業務をサポートしています。

・空港グランドハンドリング
地上走行支援、手荷物・貨物取扱い
・航空機整備
機体、装備品等の整備

参考:国土交通省

宿泊

宿泊業は、ホテルや旅館などでの業務が対象です。

ほとんどの宿泊施設にレストランがあるため、レストランでの接客も含まれます。

・フロント、企画・広報、接客
・レストランサービス

参考:国土交通省

農業

農業分野には、農業と畜産業が含まれていますが、外国人が従事する範囲はよく似ています。

・耕種農業
栽培管理、農作物の集荷・出荷、選別
・畜産農業
飼養管理、畜産物の集荷、出荷、選別

参考:農林水産省

漁業

漁業分野は「漁業」と「養殖業」の2つの区分に別れていますが、特定技能外国人が担当する業務はよく似ています。

・漁業
漁具の製作・補修、⽔産動植物の探索・採捕、漁具・漁労機械の操作、漁獲物の処理・保蔵、安全衛⽣の確保など
・養殖業
養殖資材の製作・補修・管理、養殖⽔産動植物の育成管理・収獲・処理、安全衛⽣の確保など

参考:水産庁

飲食料品製造業

飲食料品製造業は12分野のうち特定技能外国人の受け入れ数が最も多い分野です。

2023年9月時点で約5万6千人以上を受け入れています。

対象業務は以下のとおりです。なお、酒類は対象外となります。

・飲食料品製造業全般
飲食料品の製造・加工(原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥など)、安全衛生
・上記に付随する業務
原料の調達、製品の納品、清掃、事務所の管理

参考:農林水産省

外食業

飲食店などの外食業です。2022年2月時点で約2千人の特定技能外国人を受け入れています。

一般的な飲食店だけでなく配達やテイクアウト形態の事業も対象です。外国人は以下の業務に従事することができます。

・調理
飲食料品の調理、調整、製造
・接客
調理以外の接客業務
・店舗管理
上記以外で店舗運営に必要な業務

参考:農林水産省

ビルクリーニング

ビルクリーニングは建物の清掃を行います。

オフィスビルや商業施設の清掃業務が想定されています。

参考:厚生労働省

特定技能2号と1号の違い

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ここからは、特定技能2号と1号を比較してみましょう。2種類それぞれの特徴を表にまとめると以下のようになります。

特定技能2号 特定技能1号
在留期間 上限なし 通算5年間まで
技能レベル 対象分野の熟練した技能 対象分野の一定の技能
家族の帯同 要件を満たせば可能 不可

在留期間の上限がなくなる

特定技能1号では、日本に滞在して就労できるのは、ビザの更新を行ったとしても通算で5年間までです。

しかし、特定技能2号ではこの上限がなくなります。最大3年ごとの更新ですが、更新回数は無制限です。

本人が希望して受け入れ先もあれば、5年、10年、15年と活躍することができます。

どのくらいの期間滞在するか自分で決められますので、計画がたてやすくなるでしょう。

特定技能2号に求められる技能レベル

特定技能2号には対象分野での熟練した技能と実務経験が求められます。

たとえば建設技能人材機構によると、建設業界で特定技能2号に求められるのは以下のような人材とされています。

「複数の人材を指導し、班長として工程を管理する」

単に知識や技能があるだけでなく、部下や派遣社員などを監督するリーダーとなる人材が想定されています。

特定技能2号は家族の帯同が可能になる

もうひとつの特徴が家族の帯同です。2号になると外国から家族を日本に呼び寄せて一緒に住むことができます。

家族とは外国人が扶養する者のことで、基本的には配偶者と子が対象です。

特定技能2号になるための条件や手続き

ここからは特定技能2号の資格を取得するための条件と手続きを解説します。

ポイントは以下のとおりです。

  • 条件①特定技能2号評価試験に合格すること
  • 条件②分野ごとに決められた実務経験があること
  • 条件③採用される受入企業が決まっていること
  • 1号を経なくても2号を取得可能
  • 日本語能力試験は不要

以下でそれぞれ具体的に説明します。

条件①特定技能2号評価試験に合格すること

業界団体が実施する特定2号専用の技能試験に合格することが特定技能2号になるための必須条件です。

ビザの申請をするときに試験に合格した証明を資料として提出します。

試験の内容や技能の測定方法は分野ごとに異なります。日本語によるペーパー試験か、実技試験のいずれかです。

条件②分野ごとに定められた実務経験を積む

2号として認められるには、分野ごとに決められた実務経験が求められます。

これは、技能試験の受験資格に必須の条件です。

たとえば、製造分野の特定技能2号評価試験では「国内に拠点を持つ企業の製造業現場で3年以上の実務経験」が受験資格となっています。

日本企業の海外支社での仕事経験や、関連産業で関連性の高い作業に従事した経験が対象となるかなど、判断に迷う場合は試験の実施主体に問い合わせをしましょう。

条件③受入企業との雇用関係が必要

2号のビザを申請する段階で、受入企業との雇用契約が内定して採用が見込まれている必要があります。

受入企業とやり取りをしながら申請書類を作成して入管に提出します。

特定技能のビザは勤務先ごとに許可されるので、まずビザを取ってから就業先を探すということはできません。

特定技能2号の資格を取得する手続きの流れ

必要な条件を満たしたうえで、管轄の地方出入国在留管理局に在留資格の取得申請をして、許可がおりれば特定技能2号のビザを取得できます。

ビザの申請作業は行政書士事務所に依頼することも可能です。

手続きの流れをまとめると以下のようになります。

  1. 対象分野の実務経験を積む(目安3年以上)
  2. 2号技能評価試験に合格する
  3. 2号として企業と雇用契約を結ぶ
  4. 出入国在留管理庁で在留資格の申請をして審査に通過する

対象分野の経験が浅くても、1号で基礎から実務経験を積み、技能試験に合格すれば、2号に移行できます。

また、完全に未経験で技能実習生を良好に修了する段階からスタートし、2号を目指すこともできます。

実際に、日本で最初に特定技能2号が認められた建設業の男性は、2010年に技能実習制度で滞在を開始し、その後特定技能1号を取得、2号に移行しています。

制度上は1号を経験せず直接2号を取得できますが、国内拠点で該当分野の実務経験が3年以上必要です。

そのため、特定技能1号で実務経験を積むケースが多くなるでしょう。

特定技能2号では日本語能力試験は不要

特定技能1号のビザ取得時には、国際交流基金などによる、日常業務で使う日本語のテスト(例:日本語能力試験N4以上)に合格する必要があります。

このような日本語能力試験は、2号では不要です。

特定技能2号についての注意点

特定技能2号の在留資格についての注意点について解説します。

2号の資格取得後もビザの更新は必要

2号には通算5年間の制限はありませんが、ビザは最大3年、1年、6ヶ月いずれかの期限つきで取得します。

期限が来るごとに更新が必要なので、不備がないように決められた届出などをすることが大切です。

なお2号として長期間日本で働き、その他の条件を満たせば日本の永住資格を得ることも可能です。

永住資格を得たら、ビザの更新は不要になります。

2号も受入れ企業との雇用関係が必要

特定技能2号も、ビザ申請の段階で受入れ企業との雇用関係が必須です。

何らかの原因でビザ取得時に登録した受入企業を退職し、次の職場が見つからない場合はビザの更新ができないため帰国することになります。

家族も在留資格の申請が必要

特定技能2号では、要件を満たせば家族も日本で生活できます。

出入国在留管理庁に「家族滞在」の在留資格を申請して許可されることで、外国人材に帯同できるようになります。

「家族滞在」の在留資格の期間は最大5年間で、こちらも定期的に更新手続きが必要です。

2号の技能試験は今後順次開始される

2023年12月の時点で、2号の技能試験がまだ実施されていない分野もあります。

準備の状況は分野によって異なりますが、遅くとも2024年3月までには順次開始されるでしょう。

まとめ

特定技能2号の概要や取得条件、手続きなどについて紹介しました。

特定技能2号は気軽に挑戦できるものではありませんが、1号にはないメリットがあります。

主なポイントをまとめると以下のとおりです。

  • 2023年に2号の対象分野が介護以外の11分野すべてに拡大
  • 2号は在留期間の上限がなく、家族の帯同が可能
  • 1号で通算5年間の上限が近い人材も、2号に切り替えれば継続して滞在できる
  • 2号になる条件は3年程度の実務経験と、技能評価試験に合格すること

2023年に対象分野が拡大したことは、外国人を受け入れる企業にとっても、日本で働きたい外国人にとってもよいニュースと言えるでしょう。

制度の仕組みや注意点をしっかり把握して、これからの活動に役立ててください。