第二言語習得のメカニズム

言語を習得するために勉強を重ねている人は、言語習得のメカニズムを知ることでスムーズに学習ができるようになります。メカニズムとは、仕組みのことです。言語を習得するときに必要な仕組みを理解することで、機械の設計図を見ているかのごとく言語を理解できるようになるのです。学術的な説明ではなく、一般的な人にもわかりやすく説明します。

 

「できない」が始まり

学習を始めると誰もができない感覚になります。始めたばかりの時はできないことが当たり前と思えることでも、時間が経過することでどうしてまだできないのかという後悔に変化していきます。しかし、できないことは繰り返されるのです。

 

人間は忘れる生き物ですので、覚えたことやマスターしたことをどんどん忘れていきます。忘れないようにするには、何度も思い出すしか方法はないのです。言語習得のためにできないという感覚が現れたときはチャンスです。暗記などを中心に学習をしている人は、確認作業をすることで今回はどのくらいの単語数を暗記できたかを確認しているでしょう。

 

しかし、何度やっても覚えづらい単語があります。同じ単語を何度も何度も確認しているにも関わらず、どうしても間違えます。こういったところが「できない」と感じる部分ですが、できないものを発見した時にようやくあなたの言語学習はスタートするのです。

 

「やらない」が中間地点

できないものを発見した時に学習がスタートしますが、学習を継続していくと「やらない」という行動をする人が増えます。できないものを克服することが学習であることは理解していても、覚えられないことや使えないことでやる気が低下するのです。やる気だけでなくスケジュールを管理できずに悩む人も少なくはありません。

 

やるべきことがあると理解できていても、現実的に行動できないのです。時間の余裕がない場合でも、行動に移せていないことを「やらない行動をしている」というのです。あなたの行動は誰でもなくあなたが選択した結果ですので、実質的に学習がをしていない場合はすべてあなたがやらない行動を選択したのだとお考えください。

 

「やってるつもり」の挫折感

無理やり学習を進めると頑張っているにも関わらず、学習成果がでないことで「やってるつもり」になります。言語学習において、やってるつもりになることが最も危ない現象です。いくら勉強を行っても成果が出ないのです。

 

覚えても覚えても使えるようにならないという感覚に陥るため、多くの人はここで挫折をしてしまいます。やってるつもりになると、ご自身では勉強を頑張っている感覚があるため「つもり」だということに気づきません。誰かに言われて初めて気づくという人も珍しくはないのです。

 

実質的に学習を進めるには、本当に使える学力を身に着けているかを確認していく必要があります。

 

具体的で簡単な方法は、今日学習した内容を空を見ながら思い出すことができるかということです。教材やメモ、ノートなどを見直すことが学習なのではありません。何も見なくても思い出すことができるようになることを、学習というのです。

 

「もう大丈夫」で習得完了

空を見ながらあなたが学習した内容を思い出すことができれば、1週間後や1か月後にもう一度、何も見ずに思い出してみてください。すべて思い出すことができれば「もう大丈夫」です。

 

何も見なくても思い出すことができるようになれば、知識としてあなたの脳の中に言語が習得されています。しかし、もう大丈夫と思った時が最終の難関になります。

 

世の中にはピンチはチャンスという言葉がありますが、言語習得に関しては逆になります。チャンスはピンチなのです。それは、知識は忘れるものだからです。「もう大丈夫」と感じた知識をあなたは何度使うことができるかがカギなのです。

 

言語の自動化を行う

覚えられている知識を確認し、もう大丈夫だと思えた言語は自動化を行う必要があります。自動化というのは、書いたり思い出そうとするより先にその言語が脳を通過して、言葉としてあなたが使用できている状態です。

 

人間の体には反射という機能が備わっています。無意識に熱いものを触ると手を引くなどの行動です。無意識のうちに行ってしまう行動の中に言語の自動化が含まれます。そもそも人間が自分の行動を認知できているのは、脳の働きとしては前頭葉が関与しています。脳自体の活動量は1パーセントにも満たない行動なのです。

 

意識的に行えるのは脳の3パーセントの活動量までです。逆に、無意識で行っていることは97パーセントになります。あなたが母国語を無意識で使うことができるのは、脳の無意識の部分にあなたの言語として認識できているからなのです。

 

どうすれば言語の自動化ができるのか

学習が進めば進むほど、知識は増え能力は上がっています。しかし、日本人が学校で英語を何年も勉強しているのに会話することができないのは、言語の自動化ができていないからです。

 

言語間の距離を意識し、学習時間を確保しながら継続的に努力した人はとても知識を蓄えています。しかし、言語の自動化を行うにはさらに訓練が必要なのです。

 

自動化を行うための最もわかりやすい練習方法は、時間短縮です。同じ単語や文を読む速度を上げる努力をしてください。1秒で読むことができる文であれば、0.2秒程度で読む努力をするのです。学習が進んで知識が増加しているあなたは、読むこと自体は簡単です。ですが、速度を上げる努力をするとなるとまた何度も繰り返し読むことになります。言語習得のために行うべきは、知識を蓄えたうえで限りなく0秒に近い速度でその言語を使用できるようになることです。

 

何度も口に出し、高速で会話できるようになりましょう。ネイティブの人の発音のほとんどは、会話速度によって決まります。あなたが第二言語を自動化できるようになるかどうかは、会話速度を上げられるかどうかなのです。

 

日本人の場合、日本語は非常にゆったりとした言語です。しかし、英語はとても速い言語です。そのため言語間の距離が離れており、習得が困難です。困難を乗り越え習得するには、口の筋肉も鍛える必要があるのです。あなたが会話ができるようになるためには、口まわりの筋トレも欠かさず行うようにしましょう。