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技能実習と特定技能の違いは?受け入れ方法やメリット・デメリットを解説

「技能実習と特定技能、どちらを受け入れたら良い?」「そもそも両者は何が違うんだろう?」外国人労働者の受け入れにあたって、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

混同されることも多い外国人技能実習制度と特定技能制度ですが、両者には様々な違いがあります。この記事では、技能実習と特定技能の違いやそれぞれのメリットとデメリット、受け入れ方法などについて解説します。

技能実習から特定技能への移行についても触れていますので、参考にしてください。

技能実習とは?

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外国人技能実習制度は、日本の技能や技術、知識を発展途上地域に移転し、経済発展を担う人づくりに協力するために、1993年に施行されました。

技能実習制度は日本の技能を海外に広めるための制度であり、労働力として外国人を雇うための制度ではありません。

また、技能実習は「技能実習1号」「技能実習2号」「技能実習3号」に分かれています。

以下にそれぞれの違いをまとめました。

技能実習1号

技能実習1号は、実習1年目の外国人技能実習生に与えられる在留資格で、「技能の習得を目指す」ことを目的としています。

在留可能な期間は1年間ですが、技能検定試験に合格し、技能実習2号への移行手続きが完了すれば、技能実習2号の在留資格を得られます。

ただし、2号へ移行できる職種は限られているため、2号へ移行したい場合は1号の時点で移行可能な職種を選ばなければなりません。

技能実習1号の受け入れ対象の職種には制限がないので、注意が必要です。

技能実習2号

技能実習2号は、実習2~3年目の外国人技能実習生に与えられる在留資格で、「技能の習熟を目指す」ことを目的としています。

技能実習2号の場合も、技能検定試験に合格し技能実習3号への移行手続きが完了すれば、技能実習3号の在留資格を得られます。

2号から3号に移行可能な職種が限られていることと、移行時は一時帰国する必要があることも重要なポイントです。

技能実習3号

技能実習3号は、実習4~5年目の外国人技能実習生に与えられる在留資格で、「技能の熟達を目指す」ことを目的としています。

技能実習3号の実習生を受け入れるには、実習実施者と管理団体が優良要件を満たしていなければなりません。

3号の場合も技能検定試験の受験が必要です。

合格は優良認定の配点に関わるため、合格を目指すのが得策でしょう。

特定技能とは?

特定技能制度は2019年に施行された制度で、日本の人手不足を解消するために、一定の技能を有した外国人を受け入れることを目的としています。

外国人技能実習生は日本の技能を学びますが、特定技能外国人は自身の持つ技能を活かして日本で働きます。

特定技能制度は、労働力として外国人を雇うための制度だと考えましょう。

また、特定技能は「特定技能1号」と「特定技能2号」に分かれています。

以下に両者の違いをまとめました。

特定技能1号

特定技能1号は、業務に対応するために必要な知識と経験を有している外国人向けの在留資格です。

特別な訓練を受けずとも、すぐに業務に対応できることが求められます。

特定技能1号では就労可能期間に5年の制限があり、家族と一緒に日本に住むことは認められません。

特定技能2号

特定技能2号は、特定産業分野において熟練した技能を持った外国人向けの在留資格です。

特定技能2号では就労可能期間の制限がないため、更新さえしていれば日本に永住できます。

また、家族と一緒に日本に住むことも可能です。

家族は配偶者と子のみに限定され、家族滞在ビザを取得する必要もあります。

技能実習と特定技能の違い

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ここでは、技能実習と特定技能の細かな違いについて解説しています。

作業内容

外国人技能実習制度は、日本の技能や技術、知識を発展途上地域に移転することを目的としています。

そのため、外国人技能実習生に任せられるのは専門性の高い業務のみで、単純作業をさせることはできません。

一方、特定技能制度は人手不足解消を目的としているため、特定技能外国人であれば単純作業も任せられます。

しかし、法律で認められているのは「メインの業務に付随した単純作業を任せること」のため、単純作業のみを任せると問題視されるおそれがあるので十分注意してください。

職種

技能実習と特定技能では、就労可能な作業内容や分野が異なります。

2023年現在、技能実習の受け入れ対象は90職種165作業です。

詳しくは下記をご覧ください。

参考:厚生労働省 移行対象職種・作業一覧

一方、特定技能1号の受け入れ対象である分野は以下の12分野です。

  • 外食・飲食業
  • 宿泊業
  • 介護業
  • ビルクリーニング業
  • 建設業
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 飲食料品製造業
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 農業
  • 漁業

特定技能2号の受け入れ対象となっている分野は、建設業と造船・舶用工業の2分野のみでした。

しかし、2023年6月の閣議決定により、特定技能1号の受け入れ対象である12分野のうち、介護分野以外の全ての分野において、特定技能2号を受け入れられるようになりました。

詳しくは下記をご覧ください。

参考:「特定技能ガイドブック」出入国在留管理庁
参考:「特定技能2号の対象分野の追加について」出入国在留管理庁

このように、技能実習と特定技能の就労可能な作業内容や分野は細かく分かれています。

技能実習で受け入れ可能な業務でも特定技能では受け入れられない場合があり、逆に特定技能で受け入れ可能な業務でも、技能実習では受け入れられない場合もあります。

必要知識や技能

外国人技能実習生は入国後に技術や技能を学ぶため、入国前に就労する分野の知識を得たり、技能を習得したりする必要はありません。

特定技能外国人はすぐ業務に対応することが求められるため、就労する分野の知識や技能を有している必要があります。

試験

技能実習では、介護業のみ日本語能力試験N4に合格していることが求められます。

他の職種の場合、試験は必要ありません。

一方、特定技能の在留資格で就労するためには、「特定技能評価試験」と「日本語能力試験」に合格しなければなりません。

特定技能外国人は、入国したらすぐに就労できるレベルに達している必要があります。

家族帯同の可否

母国にいる家族を日本に呼び、一緒に暮らすことを家族帯同といいます。

この家族帯同が可能なのは特定技能2号のみです。

特定技能1号や外国人技能実習生の場合、家族の帯同は認められません。

以前、特定技能2号の受け入れ対象分野は建設業と造船・舶用工業の2分野のみだったため、特定技能2号の在留資格で家族を帯同しているケースは多くありませんでした。

しかし、2023年に対象分野が追加されたので、これから家族を帯同する特定技能外国人が増えていく可能性もあります。

在留期間

外国人技能実習生の就労可能期間は最長5年です。

特定技能外国人の場合、1号は5年の制限がありますが、2号は制限がありません。

転職の可否

技能実習の目的は、労働ではなく実習先で技能を学ぶことなので、基本的に技能実習生は転職しません。

やむを得ない事情があって実習先を変更する場合は、転職ではなく「転籍」という形になります。

一方、特定技能は労働を目的としているため、転職が可能です。

同一分野はもちろん、

  • 転職先の分野に該当する技能評価試験に合格している
  • 日本語能力試験N4に合格している

上記の条件を満たしていれば他の分野にも転職できます。

受け入れ人数

技能実習では技能を学んでもらうことが重要視されるので、きちんと指導できる人数を受け入れることが望ましいです。

そのため、技能実習の受け入れ人数には制限が設けられています。

例えば、常勤職員数が50人の企業の場合、受け入れられる技能実習1号の人数は5人までです。

特定技能は人手不足解消を目的とした制度なので、基本的に受け入れ人数の制限はありません。

ただし、介護分野と建設分野においては、「日本人等の常勤職員の総数を超えた特定技能外国人は雇用できない」と定められています。

介護分野・建設分野で特定技能制度を利用する場合は注意が必要です。

また、ここで言う「日本人等」には、介護の在留資格により日本に在留する外国人や、永住権を持つ外国人なども含まれます。

技能実習と特定技能のメリット・デメリット

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ここでは、技能実習と特定技能のメリット・デメリットについて解説しています。

技能実習のメリット

技能実習のメリットは、下記の3つです。

企業の活性化が期待できる

外国人技能実習生は、「日本の技術を学ぶ」ことを意識しているため、意欲が高いです。

仕事の効率も上がりますし、社員と実習生の前向きなコミュニケーションによって企業全体の活性化が期待できるでしょう。

社員が成長できる

実習生に技術を学んでもらうため、社員が分かりやすく仕事を教えられるよう工夫したり、勉強したりするようになります。

実習生を受け入れた企業から「社員同士のコミュニケーションが活発になった」などの意見が上がることもあります。

企業のグローバル化に繋がる

海外からの実習生と関わるため、文化や習慣など様々な面からお互いに刺激をもらえます。

また、在留期間を終えた実習生は学んだ技術を母国に持ち帰るので、国際貢献にも繋げられます。

技能実習のデメリット

技能実習のデメリットは、下記の3つです。

受け入れ時に必要な作業が多い

こちらは特定技能外国人を受け入れる場合でも同じですが、外国人技能実習生の受け入れ時には大量の書類を提出し、煩雑な作業をこなさなければなりません。

関係団体のサポートはあるものの、負担を感じてしまう方も少なくないでしょう。

在留期間に制限がある

特定技能2号は更新さえしていれば日本に永住できますが、技能実習生の在留期間は最長で5年間です。

コミュニケーションが困難

日本語能力試験に合格しなければならない特定技能とは違い、技能実習は試験が不要です。

そのため、最初はコミュニケーションがとりづらいかもしれません。

積極的に話しかけて繋がりを作っていきましょう。

特定技能のメリット

特定技能のメリットは、以下の3つです。

受け入れ人数の制限がない

介護分野と建設分野を除き、特定技能には受け入れ人数の制限がありません。

そのため、まとまった労働力の確保が可能です。

即戦力としての活躍が期待できる

特定技能の在留資格を得るためには、特定技能評価試験と日本語能力試験に合格する必要があります。

特定技能外国人は最初から一定の技能を有しているため、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

幅広い業務に対応できる

外国人技能実習生に任せられるのは専門性の高い業務のみですが、特定技能外国人はメインの業務に付随する単純作業もこなせます。

特定技能のデメリット

特定技能のデメリットは、以下の2つです。

転職されてしまう可能性がある

特定技能外国人は日本での労働を目的としているため、転職される可能性もあります。

しかし、これに関しては日本人を雇用する場合も同じですよね。

転職されないよう、働きやすく、コミュニケーションがとりやすい環境を整えることが重要です。

人材の確保が難しい

入国前に試験が必要なので、技能実習に比べると人材の確保が難しいです。

外国人技能実習生を受け入れるには?

外国人技能実習生を受け入れたい場合、利用できるのは監理団体からの紹介のみです。

監理団体以外から技能実習生を受け入れることはできません。

また、外国人技能実習制度の特徴として、技能実習機構や送出機関などが間に入ることが挙げられます。

特定技能外国人を受け入れるには?

特定技能外国人を受け入れたい場合、その方法は様々です。

自社で求人を出しても良いですし、人材紹介会社を利用する方法もあります。

特定技能制度の特徴は、間に入る関係団体が少ないことです。

登録支援機関が間に入ることもありますが、基本的には企業と雇用者のみで受け入れを進められます。

技能実習から特定技能への移行も可能

在留期間を終えた技能実習生は、母国に帰ることになります。

しかし「今後も一緒に働きたい」と考える企業や「日本での生活にも慣れたし、今後も日本で働きたい」と考える実習生も少なくありません。

このような希望は、技能実習から特定技能1号へ移行することで叶えられます。

移行の条件は以下の通りです。

  • 技能実習2号を2年10か月以上、良好に修了していること
  • 同職種の分野であること

これらの条件を満たしていれば、特定技能1号の取得に必要な「特定技能評価試験」と「日本語能力試験」の合格も免除されます。

技能実習2号の在留期間終了前に必要書類を提出することで、技能実習から特定技能1号への移行が可能です。

求めている職種や作業内容に合わせて在留資格を選ぼう

この記事では、技能実習と特定技能の違いやそれぞれのメリットとデメリット、受け入れ方法などについて解説しました。

どちらの在留資格を選べば良いのか迷ったら、求めている職種や作業内容に対応可能かどうか確認しましょう。

それぞれの在留資格で対応できない業務を任せた場合、雇用主が罰せられるおそれがあります。

特に技能実習では、対応できる業務が細かく定められています。

単純作業を含む幅広い業務を任せたいと考えているのなら、特定技能制度がおすすめです。