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特定技能の建設分野で外国人を採用するには?特定技能1号と2号の違いや採用の手順を解説

日本全体の深刻な問題の一つとして少子高齢化による人手不足があげられます。人手不足を解消するために、東南アジアなどから外国人労働者を積極的に受け入れている企業は珍しくありません。

2019年4月に新たに特定技能という資格が設けられ、一定の専門的な技術や能力を持つ外国人が日本の現場で働けるようになりました。

本記事では、建設分野での外国人材の採用や受け入れ時に必要な支援などについて詳しく解説していきます。

特定技能「建設」が作られた背景

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建設業は、従来より深刻な人手不足に悩まされている業界の一つです。

2020年7月にある民間調査会社が行った「人手不足に対する企業の動向調査」によると、従業員不足の業種第1位は「建設」でした。

さらに「正社員が不足している」という回答にハイと答えた企業は、51.9%にものぼります。

建設業界は人手不足だけでなく、高齢化が進んでいることも大きな問題として注目されています。

総務省「労働力調査」によると、建設業界において65歳以上の就業者は2009年には8.1%でしたが、2019年には16.4%と約2倍にも増加しています。

建設業界が人手不足に悩まされている理由としては、以下の2点が挙げられます。

・過酷な労働環境であること
・古い習慣や考え、雇用形態など目に見えない所で現代社会とマッチしていないこと

このような理由で、業界全体で若者の建設業界離れが進んでいると考えられます。

この状況を解決するために、優秀な外国人材を雇用して人材不足を解消しようと特定技能の「建設」が創設されました。

特定技能「建設」で外国人材を採用できる職種

特定技能「建設」では、以下の3つの区分で外国人材を採用できます。

1:土木区分
2:建築区分
3:ライフライン・設備区分

1:土木区分
コンクリート圧送/鉄筋施工/型枠施工/トンネル推進工/海洋土木工/建設機械施工/土工/とび/その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業

2:建築区分
土木/鉄筋施工/とび/建築大工/建型枠施工/左官/コンクリート圧送/吹付ウレタン断熱/屋根ふき/鉄筋継手/内装仕上げ/表装/築板金/その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業

3:ライフライン・設備区分
保温保冷/配管/電気通信/建築板金/その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業

上記のそれぞれの業務は、特定技能1号・2号に共通する業務内容です。

また、実際に業務に従事してもらう際は、雇用契約上業務範囲を明確にし、同等の技能を有する日本人と同等以上の報酬を設定する必要があります。

特定技能1号と2号の違い

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特定技能は全部で12分野あり、特定技能は以下の2種類に分けられます。

  • 特定技能1号
  • 特定技能2号

特定技能1号「建設」は、土木施設の新設、改築、維持、修繕などの作業において、指導者の指示や監督の下で業務に従事します。

一方、特定技能2号「建設」は、同様の土木業務に従事しながら、複数の建設技能者を指導し、工程を管理する役割を担います。

特定技能2号は特定技能1号よりも高度な技術が必要です。

在留期間や外国人支援、家族の帯同などについても1号と2号では以下のような違いがあります。

特定技能1号 特定技能2号
在留期間 1年・6か月・4か月ごとの更新 (通算5年まで) 3年・1年・6か月ごとの更新 (更新の制限なし)
技能水準 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 熟練した技能 (各分野の技能試験で確認)
外国人支援 必須。支援計画の策定実施は義務 支援計画の策定実施は不要
家族の帯同 不可 条件を満たせば可能
日本語能力水準試験の有無 ある ない
試験の実施状況 国内外で実施中 2024年度以降の開始予定

また、2022年8月に行われた業務区分の再編で、建設業に係る全ての作業が新区分に分類され、以前より業務範囲が拡大しました。

今までは特定技能2号は「建設業」「造船・舶用工業」の2分野のみでしたが、2023年秋頃に対象分野が拡大されることが決まっており、介護を除く11分野も外国人材の採用を許可されました。

建設分野ではすでに特定技能2号に認定されている方もおり、今後建設業界では外国人材を確保しやすくなると期待されています。

特定技能1号「建設」を取得するための要件

外国の方が特定技能1号「建設」を取得する方法について解説します。

特定技能1号「建設」を取得するためには、以下の2つ方法があります。

  • 特定技能評価試験と日本語試験を受ける
  • 技能実習2号から移行する

特定技能評価試験と日本語試験を受ける

外国の方が特定技能1号「建設」を取得するには、特定技能評価試験合格と日本語試験に合格する必要があります。

特定技能評価試験

特定技能1号「建設」を取得するためには、国土交通省の定める「建設分野特定技能1号評価試験」の合格が必須です。

前述の通り、現在建設業で外国人材の受け入れが認められている区分は、「土木区分/建築区分/ライフライン・設備区分」の3つです。

2022年8月30日付で建設分野の特定技能1号の業務区分の再編が行われ、試験についても新区分で行われる予定です。

また一部の区分では、旧職種での試験で実施されますが、詳細は未定です。

既に新区分の学科・実技のテキストやサンプル問題が公式で公開されていますので、ぜひ活用して試験に備えましょう。

学科試験と実技試験の概要は以下の通りです。

【学科試験】

問題数:30問
試験時間:60分
出題形式:真偽法(○×)および2~4択式
実施方法:CBT方式
合格基準:合計点の65%以上

【実技試験】

問題数:職種毎に定める
試験時間:職種毎に定める
実施方法:作業試験、判断試験等から職種毎に定める
合格基準:職種毎に定める

日本語試験

日本語試験は「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験のN4以上」のどちらかに合格する必要があります。

日本語試験では、日本での就業や生活などで問題のない日本語能力があるかを確認します。

1:日本語能力試験

日本語能力試験のレベルは「N1~N5」まで5段階に分けられています。

N4は、「基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる」「日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」レベルです。

試験は、通常年2回開催されています。

2:国際交流基金日本語基礎テスト

この試験では、日常生活における日本語のコミュニケーションのレベルを測定されます。

「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定するテストです。

試験は、通常年5回開催されています。

技能実習2号から移行する

上記の他に、特定技能1号「建設」を取得する方法がもう一つあります。

それは、建設業分野の技能実習2号から移行する方法です。

技能実習2号は、1993年に導入された技能実習制度に基づいた在留資格で、一定の期間技能実習を行い要件を満たせば取得できます。

「技能実習」から「特定技能」へ移行する際には試験が免除されますが、以下の要件を満たす必要があります。

ステップ1:技能実習2号を「良好」に修了
ステップ2:技能実習での職種/作業内容と、「特定技能1号」の区分が一致

特定技能2号「建設」を取得するための要件

特定技能2号「建設」を取得するための要件は以下のようになっています。

特定技能2号を取得するには

外国人材が特定技能2号を取得する手段は、1号からの移行に限定されているため、まずは特定技能1号を取得することが先決です。

その後、「建設分野 特定技能2号評価試験」または、「技能検定 1級」に合格することで2号へ移行できます。

ただし、建設分野特定技能2号評価試験による移行は2024年度以降の開始を検討しているようなので、随時最新情報を追っていきましょう。

登録支援機関について

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特定技能制度における外国人受入れを担当する「受入れ機関(特定技能所属機関)」は、特定技能外国人の業務や日常生活を円滑に行うために、「支援計画」を作成し、支援を提供する責務が課されています。

これに対し、「登録支援機関」は、受入れ機関の代わりに支援を提供できる機関です。

登録支援機関と外国人、受入れ機関(企業)の関係を図に表すと次のようになります。

登録支援機関と外国人、受入れ機関(企業)の関係
引用:外務省|登録支援機関について

受入れ機関が支援すべき内容は多岐にわたり、専門的な支援も含まれるため、全てを自社で行うことが難しい場合があります。

そのような時に、「登録支援機関」が支援の委託を受け、代わりに実施する役割を果たします。

登録支援機関は、出入国在留管理庁長官に登録された事業者である必要があり、支援体制が整った業界団体や民間法人、行政書士、社労士など様々な事業者が登録支援機関として活動しています。

特定技能「建設」の外国人材を採用するには

特定技能外国人を雇用する企業は、「特定技能所属機関(受入機関)」と呼ばれています。

建設業で特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関(受入機関)は、以下のような手続きや準備が必要です。

国土交通省による建設特定技能受入計画認定を受ける

特定技能12業種の中で、建設分野では外国人採用のプロセスが特有です。

建設分野における在留資格「特定技能」で外国人材を受け入れる際、受け入れ企業は外国人への支払いや報酬などを記した「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣が適切であると認定する必要があります。

その際の主な審査基準は以下の通りです。

(1)同一の技能を持つ日本人と同等以上の賃金支給(同一賃金同一労働)
(2)特定技能外国人に対し、安定した月給制での報酬支払い
(3)建設キャリアアップシステムへの登録
(4)1号特定技能外国人(および外国人建設労働者)の数が、常勤職員の数を超えないこと

また、特定技能所属機関(受入機関)は、建設業の許可取得に加えて、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入またはJAC正会員の建設業者団体への所属が必須です。

支援体制の義務を果たす

業種ごとに設けられた協議会への加盟は、特定技能所属機関の義務です。

他にも、法令順守や支援能力・体制の確保など、特定技能所属機関として認められるための要件や基準が定められています。

特定技能所属機関(受入機関)は、特定技能外国人に対して複数の支援を行う必要があり、住居契約時の連帯保証人となることも義務付けられています。

ただし、受入機関はこの支援業務を「登録支援機関に委託する」ことができます。

特定技能「建設」外国人材受け入れ費用について

特定技能1号外国人を雇用する方法によって、費用相場が変わることがありますが、特定技能外国人には日本人と同等以上の給与を支払う義務があります。

建設業界では特に、特定技能1号の採用に際して「受入れ負担金」が発生します。

この負担金は受け入れ企業がJACに支払います。

加えて、JAC正会員には年会費36万円、賛助会員には年会費24万円がかかります。(※登録支援機関の場合は契約企業数によって異なります)

受入れ負担金は、海外試験合格者(JAC指定の海外教育訓練を受ける場合)、海外試験合格者(JAC指定の海外教育訓練を受けない場合)、国内試験合格者、試験免除者(技能実習2号修了者など)ごとに年額が異なります。

また、登録支援機関委託費用も別途かかる場合があります。

特定技能ビザの申請等と行政書士について

行政書士は国家資格を持つ専門家で、官公庁に提出する書類や契約書の作成等を依頼できます。

特定技能ビザの申請書類の作成を外注する場合は、行政書士に依頼します。

受入れ機関のスタッフが代理で申請することもできますが、書類作成に慣れていないため不備やミスが発生し、審査に時間がかかったり許可が下りなかったりする危険性があります。

行政書士に依頼すればミスのない書類を作成してもらえて手続きがスムーズに進み、許可が得られる見込みが高まります。

費用については行政書士によって異なりますので、予め金額について聞いておきましょう。

まとめ

今回は、特定技能や海外から日本に来た外国人材の雇用について詳しく解説してきました。

特定技能の外国人材を採用する際は、外国人への支払いや報酬などを記した計画書を作成し、支援体制を整える必要があります。

自社で支援が難しい場合は、登録支援機関に委託することも可能です。

また、特定技能についての決まりが変更になる場合もあるため、最新情報を見逃さないよう注意しておきましょう。